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執筆者の写真上の助空五郎・Soragoro Uwanosuke

CABARET E9 2021

京都の東九条に新しい小劇場ができまして。その名もシアターE9、シアター=劇場、Eはeast=東、9は九条の意味。昨年、2020年の2月末から3月頭にここで黒猫バーレスクの最終公演に呼んでいただき出演しました。あれから1年、また劇場に立つことができた喜びと、このコロナ禍において前回同様に再び奇跡的に無事に開催できた事の運命を感じずにはいられません。



コロナ禍における、劇場での感染防止を踏まえた舞台はまさに「観るキャバレー」でした。劇場の舞台美術と照明と音響で裸の芸術を観るという新しい試みは、ある意味とても平和で新鮮でした。



ポールダンサー&バーレスクダンサー、ElianaとMecav。この2人が組んで京都のバーレスクシーンが今の盛り上がりを見せたと言っても過言なし。アーティストとしても、企画者としても、素晴らしいお2人。ご来場くださったお客様の数と顔を見れば一目瞭然で本当に愛されているのだなと思います。今回は劇場主催のキャバレー。2人は演出と出演にまわり、そこに空五郎を呼んでいただいた次第です。



楽しかったね。。本当に楽しかった。良質な舞台の時間を終えると毎回決まって、これまた上質な上の空タイムがやってきまして、しばらく全然違う事をしながら、いつもぼーっとしてしまいます。そして頭より身体が覚えているあの時の空気感にゆっくり浸ります。1週間が過ぎ、フォトグラファーのKim Sajikさんから素晴らしい舞台写真の数々が送られてきまして、また一気にあの瞬間、この瞬間がぶわっと鮮明になり、いま大笑いしながら写真を眺めています。


今回の空五郎の役目はソロのショーと、MCでした。昔、キャバレーを始めた頃はMC(司会)なんてヘッタクソで思い出すだけでゾッと笑しますが、経験と慣れでしょうか、いつの間にかできるようになりました。バーレスクとヴォードヴィルのショーには必ず「狂言回し」がいて話で場面を繋ぎながら出演者を紹介し、盛り上げます。Master of Ceremony。まさにショー全体の仕切り役であり自分が長年やってるヴォードヴィルにとってはとても大事な要素であるMCの役目はとても楽しいものでした。



もう一度、僕が関わった2日間の出演者(出演順に)紹介したいと思います。


4月17日土曜 夜公演


イズミ・アマゾネス


この日のトップはイズミ・アマゾネス。1930年代にサリー・ランドが踊って有名になった羽扇の舞、ファンダンスで魅せてくれました。今やバーレスクの古典的な踊りですが、大きな扇を使う踊りはバーレスクの優雅さ、美しさ、技術、チラリズム、全てが詰まっています。見事に踊ってくれました。紫の衣装が似合うゾネ!もう関西を引っ張っていくバーレスクダンサーの1人、立てばジャングル座ればジャガー、狙った獲物は逃さない、湧きだつ色気で大地を潤す、イズミ・アマゾネスでした。



続いて


古川真穂


真穂さんは初めて出会ったのが4年前の心斎橋LUDOでした。歌うバーレスクダンサー。シンガーソングライター、 MC、コメディアン。彼女の引き出しはいくつあるのか、僕は勝手に彼女もヴォードヴィリアンだと思っています。変幻自在に見せ方を変え、驚きあり笑いあり、可愛いくて、元気で、色気たっぷり、確かな歌唱力とオリジナル楽曲の中には愛と平和のメッセージ。お客さんも僕も古川真穂の魔法にしっかりかかりましたよ。


ダニエル・ジュゲム


バーレスクを男性が踊るとボーイレスクと言われますが、僕が出逢う人たちは男と女の境界線をいとも簡単に超えてくる人たちばかりでもうジャンルなんて関係ないなと最近はよく思います。その人の生き方、手段が踊りであり、身体の美であるなら、ただそれを存分に味わいたいと思わせてくれるダンサーです。コンテンポラリーダンスの面白さを伝えながら、更にそのイメージもジュゲムと出会って変わったね。美しいね!誰が観てもカッコいいよ!楽屋ではめっちゃ喋る!大好きになりました寿限無!



チップタイムと休憩を挟んで後半へ。ステージキティンはケムリンこと、野宮(ののみや)けむり。こうやってお客様との距離をとってチップをもらいましたよ。thank you ベリーチップ。



上の助空五郎


この日のソロショーの演目は


Take the A train

カモシカカモ

ひだまりの娘(飛騨弁ボッサ)

朗読劇「戦争と猫と平和」

雨にうたえば(タップダンスと帽子)

12番街のヴォードヴィル


こんな20分でした。朗読は最近よくやっていて、自分の経験や生活の中で感じる話がネタになっているので伝わりやすいなと感じます。パントマイムは20代の頃に劇団汎マイム工房で修行しました。今でもショーによく取り入れます。歌い終わってウクレレを置き、すぐにシーンが作れるマイムは本当に素敵、無敵。師匠に感謝。https://www.soragorouwanosuke.com/blogウクレレボサノヴァはイパネマの娘を飛騨弁で歌いました。


土曜日 最後の出演者はこの3人!


京都Heel dance愛好会


ヒール👠ダンサーでもあるElianaが、Mecavと、うのをラテンダンスに引き込んだ。普段はソロでショーをするのが殆どのバーレスクダンサー3人による群舞はマジ超レア、振付けはもちろん Eliana。めっちゃセクシー。同じ音楽で同じ振付けでも、やっぱり個性が出るのが面白い。音とリズムの取り方やアクセントがそれぞれ違うのが踊りを通して見えるのが個人的に好きです。沢山の愛のチップありがとうございました。


土曜の夜のフィナーレ写真。thank you


4月18日 日曜日 昼公演

あっという間に朝がきて、劇場9時入りからのリハーサル。昨夜の緊張もほぐれ、2日目は気持ちが朝から楽しむ事に集中していました。





日曜日の空五郎はトップバッター。司会して、すぐに出演。昔、友達の結婚式の司会と余興をあまりよく考えずに引き受けて、自分で余興を紹介して自分が出てくるという大忙しだった日を思い出しました笑。


Take the A train

カモシカカモ

音痴 desafinado(飛騨弁ボッサ)

マイム 「化粧」

ダイナ(タップダンスと帽子)

12番街のヴォードヴィル


初日とは演目を変えて、バーレスクダンサーの楽屋風景をマイムで演じる化粧をやりました。飛騨弁ボッサが予想外に好評で嬉しい。最近どんどん作っていますのでこうご期待。


京都☆男子チェアダンス部


今回の写真を観て一番笑った写真。


ダニエル・ジュゲム、辻本佳、合田有紀、竹ち代毬也のメンズ4人による、チェアダンス改めキャバレーダンス!最高でした。一応群舞でした。舞踏、コンテンポラリー、ボーイレスク、それぞれのバックグラウンドがダダ漏れの個性しかない群舞。ありがとう。振付けは天才Eliana。


僕はこの日だけでリハーサル合わせて5回この踊りを観ましたが、感想は一言「また観たい」。



チップタイムと休憩を挟み

ステージキティンはゾネとけむりん。thank you!


後半はオール女子。


ゴトウイズミ


出演者の中では一番付き合いが長いパフォーマー。ミュージシャン。広島ヲルガン座の主。イズミさんと会うと、やはり芸の話になる。旅の話になる。お互い芸巡業の旅が好きだから。あっち行ったこっち行った、どうだったこうだったと話は尽きない。イズミさんは、話してる最中も同時にSNSで店の宣伝とかしてる。忙しいのに毎回、新作を作ってくる。楽しいデートのレストランでの風景をマイムで、その後のドタバタ劇をバーレスクで見せてくれました。最後に花が開き、説明できない幸せな気持ちになりました。イズミのグッズ、小道具入れを買いました。


Mecav


世界のポールダンスとバーレスクをまだ全ては観たわけではないけれど、彼女がカナダのBurlesGeek Montrealにヘッドライナーとして出演したという事は、僕らは世界レベルのダンスを観てるのと同じだなと思います。会う度に進化するバーレスクポール狂女子。心底、腹の底から、めちゃくちゃ、カッコ良かったです。大役お疲れ様です。ドリーミーでデンジャラスなMecav!



そして、そして大トリは

Eliana


CABARETの出演者たちの最後を飾ったのは愛とエロスの伝道師Eliana。彼女をコールした後、袖から見えた風景は伝道師にいざなわれた人々の宴、パーティーでした。芸術は足したり引いたり、割ったり、掛け合わせて更に素晴らしいものが生まれます。彼女の身体に染み込んだ様々なダンススタイルと、声に出さずとも最後にマラカスで会場を一つにできるアイディアと経験値。ロックな女神を拝むように袖から観ていました。企画、演出、振付け、出演、魔女汁、本当にお疲れ様です。楽屋でいつも細かく気を遣ってくれる優しさもマジ嬉しかったよ。



終わると寂しいね。


でもこの寂しさが次の喜びに繋がる。


やっぱり舞台は最高。劇場が好きです。舞台監督、音響、照明、シアターE9、全てのスタッフ様方、ありがとうございました。


ステージキティンは、野宮けむり、イズミ・アマゾネス。フロアキティンはRISING KAIGEN、YUKOとMeimy。本当にありがとう。


最後に、このコロナ禍において足を運んでくださった大切なお客様。このキャバレーを不要不急ではなく、緊急必要不可欠であるという素敵なメッセージをくださったお客様。劇場へ愛を持ち寄ってくださり本当にありがとうございました。また会いたいね。うん会えるね。続くからさ。人生はキャバレー。



はい、というわけでまるでMCをしてるような気持ちでブログにレポートを綴りました。最後まで読んでいただきありがとうございます。人を丁寧に紹介するって楽しいですね。


余談ですが、

キャバレーは20代の頃からやっていて、最近ようやく歌う曲、選ぶ言葉が歳に追いついてきたかもと思う空五郎です。あの頃はよくわからないまま、キャバレーのカッコ良さだけに憧れて背伸びしてました。でも続けてきたから今がある。


もっと面白く、もっと軽く、気配りとロマンスを。


また劇場でお会いしましょう。


空五郎でした。



幕おりる

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